代表取締役
岩田電気株式会社
二代目 代表取締役社長。
建設業の人材不足に危機感を感じ、現在は電気工事の若い担い手を育てるべく奮闘している。
施設課
社歴 8年
高校の体育科を卒業後、工場に就職するも1年で退職。暫く定職に就かない日々を過ごしたが同級生の紹介で岩田電気へ。
施設課
社歴 31年
工業高校卒業後、染織関係の仕事に就くも退職し、先代の社長に声を掛けられ岩田電気へ。
藤垣:大手建設会社さんの現場で電気工事を行うのが主な仕事です。
電線を引いたりコンセントを付けたり、弊社が請け負っているのは個人宅ではなく
会社やビルなどの対法人のお客様になります。
藤垣:いえ、違います。高校卒業後は別の会社に入社して働いたのですが辞めてしまい4年ほど定職に就かない生活を続けていました。
当時、岩田電気には中学の同級生が在職していて、以前「この業界は人手不足で若い世代が入りやすい」という話を聞いていたことを思い出し、声をかけてみたことが入社のきっかけです。
藤垣:はい、高校は体育科でしたし、完全な素人で具体的にどんな仕事をするかという事も知らない状態で入社しました。
—面接時にはっきり「厳しい業界だよ」と言われ、資格も経験も無い状態で入社するも、思ったよりスムーズに馴染めました。
岩田:話を聞いていたイメージではやんちゃなタイプを想像していたのですが、実際会ってみると素朴な青年だなという印象でした。
面接時に「厳しい業界だよ」とあらかじめはっきり伝えたのを覚えています。
藤垣:これから働こうとしているのにはっきり言われましたね(笑)
岩田:厳しい仕事だからこそある程度の覚悟がないと入社してまたすぐやめてしまうという事になりかねない。
そうなると本人の職歴にも傷がつくことになるのでは、という心配があったんです。
藤垣:先に厳しいという話は聞いていたので意外とやっていけたというか、それまでが怠惰な生活をしていたせいか思ったよりスムーズに馴染めたと思います。
矢島:先代の頃に入社したのでもう31年になります。
矢島:いえ、僕よりもっと長く勤めている社員がいますよ。
僕は元々工業高校を出て染織関係の仕事に就いていましたが1~2年で退職してしまって、知り合いが先代の奥さんと繋がりがあり、アルバイトでもいいから勤めてみないか、と声をかけて頂いたことがきっかけでした。
矢島:全くありませんでした。
岩田:そういうことになりますね。
矢島:先代にしても現社長にしてもすごく良くして頂いていて、僕だけではなく社長の人柄があったからここまで長く続けてこられたと思っている社員は多いと思います。
ただ優しく甘いという訳ではなく、もちろんこの年になってもまだ怒られることはありますが、やはり居心地が良いからここまでやってこられたのかなと感じます。
藤垣:はい、同じ現場で仕事をすることもあります。
ただ社長だからといって話しかけ辛いといった雰囲気はなくて、特別気を遣うという訳ではなく一人の先輩として一緒に仕事させて頂いていました。
—多くの会社が集まる現場だからこそ見えてくる仕事の引継ぎ方、伝え方
岩田:自己中心的な仕事をする人ですね。
例えば、全体の工程が1から10まである時に、自分が7までをやって誰かに仕事を引き継ぐ場面で、引き継いで仕事する人が7から8にスムーズに移行できるような環境を作っておくこと。
多くの会社が入る現場で他社の社員の仕事を見ながら、「こういうやり方は良くない、引き継いだ人が苦労するようなやり方は駄目だ」ということは伝えています。
ただ、直接自社の社員に注意する場面はないので、社員自らが自ずと間違えた方向に進まないよう現場で細かく修正しながら作業が出来ている。
藤垣:そうですね、現場は多くの会社が入る為、よく怒っている人を見かけるのですが、もっと早く伝えてあげればここまでのことにはならなかったのではないか、と傍から聞いていると感じる場面が多々あります。
岩田:そうですね、そういう場面を目にしているからこそ、何か注意したいことがあれば休憩時間に伝えたりだとか気を付けています。
矢島:最初は同じ現場で仕事をする機会がなく歓迎会で挨拶をした程度だったのですが、今でこそ社長から一人で現場を任されるまでになり、伸びしろのある社員だなと感じます。
僕たちのように年齢を重ねた社員にとっては、これからどんどん若い方たちに任せていかないといけないですから、彼についていけば大丈夫!と思える人ですよ。
藤垣:初めはこの見た目ですから緊張しましたが(笑)実際現場で話してみると話しやすく皆から親しまれて、すごく良くしてもらっています。
—技術職としての電気工事士の仕事に自信や誇りがあるからこそ、若い世代に受け継いでいってほしい
矢島:僕はどちらかというと班長の指示に従って動く方で、班長など現場で指示を出す役割は若い社員に任せています。
ですから仕事に対して言われたことに対しては年上であれ年下であれ従うというスタンスです。
藤垣:そうですね。もちろん図面の指示等はありますが、細かいやり方については現場の班長が決定する必要がありますから、自分が決めたことで責任も生まれますし、作業する人が手を止めることにならないように先を見ながら頭を使う必要があります。
藤垣:全然あります。ですから僕が決めたことに対して矢島さんや社長から見て「こういうやり方もあるんじゃないか?」等のアドバイスをもらいながら僕たちを教育して頂くというやり方です。
もし決めたことに対してもっと高圧的に否定されたとしたら僕も「面白くない」と感じて喧嘩になってしまうかもしれないですが、アドバイスとしてきちんと教えてもらえるから「何故こうした方がいいのですか?」等の質問が出来る。
これまでの経験があってアドバイスを下さっているから素直に聞き入れることが出来るのだと思います。
矢島:あえて先代の社長や現社長からそう教えられたことはないですが、諸先輩方も色々な経験をして現場で他社の方が叱責されている場面などを見苦しいと感じ、逆に冷静に対応するということを自然と受け継いでいったのではないでしょうか。
岩田:皆で補い合える人。オールマイティに仕事ができる人も必要ですが、会社組織として得手不得手を助け合える人が向いているんじゃないかと思います。
岩田:僕はこの業界の「若い世代が入らない、続かない」という現状に危機感を持っています。
それは会社の存続などという話ではなくて、技術職としてこの仕事に自信や誇りを持っているからこそ受け継いでいってもらわなければ困る、と考えているからです。
各々色々な職業の人がいて世界が成り立っている。人間は当然建物が無いと生活が出来ないわけで、しかし建設業の担い手はどんどん少なくなってきている。
だから優秀な人材を入れて、電気工事士を育てていくことが僕たちの仕事であり使命だと思っていて、工業高校、専門学校で勉強して工事士の資格を取得して入社してくれる方はもちろん、資格がない方でも工事士の資格を取得し、一人前になるように育ててあげたい。
そしてこれからこの業界に入る方には、どこかのタイミングで教わる側から教える側になってほしいと考えています。
矢島:ひとつの建物が出来上がった時、それがオープンする時など「自分が携わったな」と感じることですね。
藤垣:僕は、少しずつこうやって仕事を任せてもらえるようになると、今までやってきたことが身になってきているんだなと実感できる時ですね。
言われる側から言う側になったときなど、自分の成長を感じられます。
岩田:出来ることは先延ばしにしない!今日やれることは今日やろう!
皆さまお忙しい中ありがとうございました!